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糊と油性絵の具を使ったマーブリング

 

森竹高裕



1.特徴
 従来のマーブリングは、水と油の反発を利用している。この方法だと、油の広 がりが早く、模様も絶えず動いているので、作品はやってみないとその様子が 分からない。 
 このマーブリングは、糊と油の反発を利用している。糊を使うことによって、 自分の作りたい模様を自由にデザインすることができる良さがある。糊の粘性 が高いので、油が広がらない。そのため爪楊枝を使い思い通りのデザインをす ることができる。


2.準備するもの
 マーブリングバット・灯油・洗濯用糊・絵の具皿・習字用細筆・
 油絵用絵の具・画用紙・きれいな雑巾・新聞紙・爪楊枝(櫛)・ピンセット
 ※ 糊は、「ホーライ糊」の他に「あいのりトーメイ」「マホーのり」など
   化学洗濯糊(液体ゼリー状)のものであればよい。

3.溶液の作り方
(1) マーブリングバットに、ホーライ糊を静かに流し込む。ホーライ糊はスーパーによく売っている洗濯用   糊。透明の筒型で、一本百数十円で買える。成分はCMC。
(2) バットの中に糊を入れて、水を少しだけ加える。水の量はホーライ糊の半分以下でゼリー状の状態を  保つようにする。完全な液体にしてはダメ。
(3) ホーライ糊のめやす。
  8つ切り版大のバットで、糊3〜4本
  4つ切り版大のバットで、糊7〜8本
  ※ 6人班の場合、糊は各班1本でちょうどいい(2時間の授業)

4.絵の具の作り方
(1) 油性絵の具(油絵用絵の具や謄写インクなど)を絵の具皿(ワンカップやプリンカップ)に入れる。絵の具は一本350円〜 各色一本で十分足りる。
(2) 灯油を少々入れる。灯油の量は、ほんの少しでよい。固体の絵の具が液体状になれば可。
(3) 筆で絵の具をよくかき混ぜる。

5.作品の作り方
(1) 色をとった細筆で、糊の上に絵の具を落とす。自分のほしい色の取り合わせになるように何色か使う。絵の具の落とし方は、縦または横の縞模様になるようにする。(つまり色を変えながら何本も線を引くということ)感覚としては、糊の上に線を引く感じ。
(2) 爪楊枝などで、絵の具に変化を与える。これにより、いろいろな形状の大理石模様(マーブル)が作れる。
(3) 画用紙やケント紙をバットの大きさに合うように切る。この紙の端から静かに糊に浸していき、絵の具を転写する。
(4) 転写した紙をピンセットで持ち上げる。次に紙をバットの縁に擦るようにして引き上げる。こうすることで、余分な糊をバット内に戻す。
(5) 転写した紙を新聞紙の上に乗せる。
(6) 紙についている糊を湿った雑巾(スポンジたわしでも可)できれいにふき取  る。このあとティッシュペーパーで拭き取ると早く乾く。
(7) バット内に絵の具が残っているときは、新聞紙や更紙で残りの絵の具を取り  去る。

6.注意すること
(1) 濃い色を出そうと絵の具を多く落とすと、転写の紙が油じみることがある。また、転写してバットから紙をあげるとき、絵の具がつぶつぶになって糊の中に残ってしまうことがある。
(2) 筆が絵の具でもたついてきたら、灯油を使って筆をきれいに洗う。

7.授業をして気づいたこと
(1) 糊に水を加えるときや絵の具に灯油を加えるときは教師がおこなう。加える量が多すぎるとうまくできなくなるので少しずつ加えて様子を見ていく。
(2) 模様がぼやけてしまうのは、加えた水または灯油の量が多すぎたということ
(3) バットの底が隠れるよう十分の溶液(糊+水)を入れておく。溶液が足りないと、バットの底に絵の具がつくので、溶液が汚れやすくなる。
(4) 太筆を使うと模様がきれいにできないし、溶液が汚れやすくなる。習字の細筆を使うのが一番いい。
(5) 作品ができたあと、糊をよく拭き落としておくこと。糊が着いていると下に敷いた新聞紙にくっついてしまって剥がれなくなる。
(6) 青〜緑〜黄色系の色は、色の境目がきれいに出た。赤系は色の境目がぼけるような気がする。顔料による違いか?現在追究中。
(7) バットを子どもに持ってこさると、おせんべいの缶や植木鉢の皿などが集まった。2人に1つくらいのバットがあるといい。版画用のインクを延ばす皿も使える。
(8) 黒は版画用の油性インクが使える。白い絵の具は黒の画用紙を使うと美しい模様が出る。
(9) ゴミがたくさん出る。約ゴミ袋2袋分。
(10)とってもとっても子どもが喜びます。はがきにやらせるとGOOD

8.この作品をどう生かしていくか
(1) 箱にしたり、ノートカバーにする
(2) はがきを作る
(3) 6年生を送る会用の色紙
(4) 半紙に模様を作り乾いたらその紙に習字

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