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造形学習会報告

「版画と私:物の本通りじゃあ子どものものにならないなあ」 

森竹高裕


1.ステンシル版のこと

 版は、OHPシート0.15〜0.2ミリの厚さで作る
 形の切り抜きはカッターでよい。
 最近では刃先が30°のデザイン用カッターがある。作業がしやすい。
 版ができたら、スポンジを1/4に切る。
 スポンジに水を含ませて、絵の具をポンポンと置いていく。


2.木版の試し刷りのこと


 試し刷りの時には、インクをつけない。
 版の上に紙を敷き、鉛筆でこすりだす(フロッタージュ)
 絵が浮き出てくるので、仕上がりを確かめる
 紙は広告用の薄い紙がよい。印刷屋に行けばもらえる。


3.バレンの大中小

 本当のバレンには、真竹の皮でなった縄を渦巻き上に入れてある。
 買うと2〜4万円位する。
 真竹の皮がないときは、綿の太い荷造り用のひもで代用できる。
 彫りすぎた版に対しては、小さいバレンを使う
 彫りたりない版に対しては、大きいバレンを使う


4.子どもを夢中にさせるには

(1) 糊と油性絵の具を使ったマーブリング
 水で溶かしたホーライ糊をふね(お盆)一面に引く。
 油性絵の具を灯油で溶かしたものを、ホーライ糊の上に落とす。
 つまり、筆を使い直線を何本も引く。何色も使ってかまわない。
 ようじなどで、直線と直角に交わるように模様をつけていく。
 画用紙に写し取る。

これは大人も子どももハマルそうです。なぜなら、これから写し取ろうとする模様がはっきりと見えるからです。普通のマーブリングのように、「やってみないとわからない」ではなく、自由に模様をデザインできるところがハマル理由です。

糊の働きによって、流動性が低くなり、模様を見ながらデザインすることができるのです。作品を見せていただきましたが、非常に綺麗でした。箱にしたり、ノートカバーにしたり応用範囲が大変広いです。

これについては是非マスターしたいのでボクも挑戦してみます。うまくいったらそのノウハウについて報告します。おたのしみに・・・。
 

(2) 板紙凹版
 板紙凹版用の紙に、切り込み(絵やデザイン)を入れる。
 切り込んだ部分にクレヨンを塗り込む。
 ティッシュや布で、はみ出してしまった部分をふき取っていく。
 紙の表面をビニル加工してあるので、クレヨンがつかずにふき取れる。
 色つけ、ふき取りは、内側から外側へ向けておこなうのがよい。
 作品はしおりを見せていただきました。とても美しい物でした。
 

(3) 絵の具を使った板紙凸版
 厚めの画用紙に、絵の全体像を描き色をつける(墨でも可)
 中の部分、細かい部分をカッターで切ることで絵を仕上げる。
 板紙凸版のように、画用紙の表面をはがしていく
 剥がさないところは絵の具の色、剥がしたところは白になる。

 

5.手前に引く彫刻刀


(1) 良い点 
 自由に線彫りできる
 押し出して彫らないので手を切らない 
 画面全体を見て仕事ができる

(2) 作り方(難しいだろうなあ)
 ボールペンを利用する
 刃は、キャップの部分。服などに挟めるようにフックしている金属の部分
 金属部分をヤスリで削る。ヤスリは普通のものでよい。
 たくさん作るなら、ダイアモンドの粉をまぶしてあるのがよいとのこと
 刃ができたら、ボールペンの筒に刃を差し込む
 筒を暖めて少し柔らかくしてから刃を差し込むときちっと着く

 ┌−┬┐
 |  || ←ここのところをヤスリで削る
 |  ||
 |  ||
 |  ||
 |  |
 |  |  ボールペンのキャップ
 |  |

実際にこの彫刻刀を使ってみました。とても使いやすいです。手前に引きながら彫ることができるので、自由に線を彫れました。力もいらずにスイスイ彫れます。怪我をすることもありません。商品化したら、絶対に売れると思います。

6.彫刻刀を研ぐ


 セットの中に入っている研ぎ石は粒子が粗いので研げない。
 彫刻刀を研ぐのは、紙ヤスリの1500番で研ぐ。
 研ぐときは、必ず一方向に研ぐ。往復運動はしない。
 丸刀・三角刀も、くし・割り箸で刃の大きさにヤスリを合わせれば研ぐことができる


7.そのほか


 板紙凸版の用紙は、ケント紙がよい。
 削りカスは細かいほどいい。→ 微妙な模様の表現になる
 話は耳で聞くもんじゃあない。目で聞くもんだ。
 「教えすぎない、支援する、援助する」ってどう言うことですか?答えられますか?私にはできません。明快に答えられない言葉はあまり使わない方がいい
 子どもは「本能→習能→技能→技術」の段階を踏んで成長していく

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